仏の顔も

日本人は2度、3度痛い目に遭わないと物事を理解できない人種なのかもしれない。
太平洋戦争でも、3月の東京大空襲で10万人もの一般人が虐殺されれば、もう白旗上げてもいいようなものを、その後の沖縄戦、広島、長崎の原爆投下、もちろんそれ以外にも多くの空襲で、軍人以上に一般国民が犠牲になった。
小生の伯母さんも学徒勤労動員されていた工場が空襲に遭い亡くなったそうである。父親である小生の祖父はリアカーで遺体を引き取りに行ったということであるが、どんな気持ちだったのだろうか。いつだって犠牲になるのは一般庶民だ。
福島第一原発の事故は広島原爆で放出された何十倍、人によっては何百倍もの放射性物質がまき散らされているというのに、もうすっかり事故は終わったどころか、なかったような今の日本である。
福島第1原発作業員が急性白血病で死亡してもテレビでは報道もされず、紙媒体では「医師の診断で、福島での作業との因果関係はない」という東電の発表をそのまま小さく載せるだけである。
ちょっと前に福島の子供の尿から放射性セシウムが検出されたという報道があったが、2ヶ月後に再調査したところ、他県に避難しなかった1人で数値が減少せず、微増したというニュースは全然見ない。

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011090700781

どうしてこんな重大で深刻な状況が報道されないのであろうか。
このような原発事故にネガティブな情報は無視され、実際はどうかわからないのに、経済活動、日常生活に支障が出るということで原発再開を推し進めるべきというような報道ばかりがなされる。
恐ろしい国である。