牛だけなのか?

放射性セシウムに汚染された肉牛の数は拡大する一方だ。牛肉はほぼ全国で販売消費されている。
ちょっと前まで、国が勝手に高く決めた数値ではあるが、その暫定規制値を超える食品は出回ることはないので、売られている食品は安心して食べてくださいと多くの人が言っていたはずである。不思議なことに誰も謝りもせず、「少し食べたくらいでは、ただちに健康に影響はないので心配はいらない」と魔法の言葉でごまかすばかりだ。
牛肉がダメなら牛乳も危ないんじゃない?と考えるのが自然な流れなのだが、原乳は大丈夫だそうだ。原乳は混ぜることによって暫定規制値以下に薄める対策を早くにとっていたからね。
豚肉や鶏肉はどうなのか。牛と違って稲わらを餌にはしてないだろうけど、放牧していれば放射性物質のついた草や土を取り込んでいるだろう。豚舎や鶏舎に閉じ込めていたとしても、水、空気は人間ほど気にしていないだろう。それ以前に福島第一原発から60キロとか、ましてや100キロ以上離れている人は大丈夫と思っていた人が多かった、今も多いはず。テレビ、新聞、行政は大丈夫を連呼していたんだから。
近くにいた動物が内部被曝しているのに、人間は大丈夫ということはないだろう。稲わらには表面に放射性物質が付いていたのだから、餌やりの作業をすれば、外部被曝はもちろん、放射性物質が飛び散って体内にも入ってしまったことだろう。しかしながら農家の人の被曝を心配する声は聞こえない。
今回の牛肉をきっかけに検査の範囲が広がれば、牛肉以外でも暫定規制値超えの食品は出て来るだろう。それでもまた魔法の言葉は繰り返されるのだろう。日本国民はいつになったら魔法に気付くのだろう。