誰がスーちゃんを殺したか

小生はキャンディーズ世代より少し若いので、特に熱狂的なファンではなかったが、キャンディーズは好きだったし、スーちゃんこと田中好子さんのその後の活躍も良く見ていた。
田中好子さんが乳がんで亡くなったというニュースを知った時には、闘病中という話を全く知らなかったので、かなりの衝撃だった。まだ55歳、若過ぎる。
実はこのニュースを知る前夜に↓の文章を読んでいたので、乳がんでの病死というのは余計にショックだったわけである。

http://www.ne.jp/asahi/kibono/sumika/kibo/note/naibuhibaku/naibuhibaku1.htm

ここでは、事故、故障などなくても原子力施設から乳がんの原因物質が排出されているのではないかという説が紹介されている。ただ原発が運転しているだけでも乳がんが増えているとすると、今回の福島原発事故での影響は途方もないことになるだろう。
行政が無策の中、遠くに避難でもしていない限り、個人でどんなに気を付けても、内部被曝は少なからずしてしまっているだろう。殊に水素爆発直後からきちんと対策を取っていた人はどれだけいるのか。小生も放射性物質が大量に降り注ぐ中、給水の列に並んだり、スーパーの入場の列に長時間並んだりしていた。どれだけの放射性物質を吸い込んでしまったのかと思うと、恐ろしい。
郡山市には中心部に開成山公園という場所があって、震災直後からしばらくの間、給水所が設けられていた。そこは郡山市の中でも今も比較的放射能の強い場所らしい。テレビのニュースで給水の様子が流れていたりしたが、子供連れで給水に来ていた人も多数いた。当時、放射能の情報などなかったのだから、水の入手は死活問題だし、入手制限が頭数の場合には子供も並ばせるのは当然のことだろう。放射能放出量や拡散状況の情報が速やかに行われていたなら、気を付ける人は気を付けたと思うのだが・・・
また今回の震災では、瓦葺の屋根は瓦が落ちて屋根が破損するという被害が多かった。うちの地域では瓦屋根の家は2軒に1軒以上くらいの割合で被害が出ていたのではないだろうか。田舎だと瓦屋根の家は結構あるので、全体的には10軒に2、3軒の割合で被害が出ている感じだった。
雨が降ると雨漏りしてしまうので、震災後は応急処置としてブルーシートを屋根の破損した部分に被せる作業をしている人がたくさんいた。業者など頼んでもいつ来るかわからないので、自分の家は自分でやるしかないのだ。原発で水素爆発が起きた後も、屋根で作業をしている人はたくさんいたことだろう。
小生の親父は屋根屋でもう年で引退していたのだが、屋根の修理の依頼がたくさん来て、さすがに昔からの知り合いなどの頼みは断れず、今も毎日修理に忙しくしている。基本的に室内にいる小生なんかより桁はずれの被曝をしているだろう。豆乳ヨーグルトはできるだけ食べるようにしてもらっているが、先々どうなるのか心配である。
話がずれてしまったが、今回の原発事故で原発のとんでもない危険性が明らかになったにもかかわらず、脱原発の動きは盛り上がらず、何となく原発推進維持の動きは政治、経済の世界では進んでいるようだ。青森県知事選でも原発推進派の候補が当選した。一般庶民の中では、多少電気に不自由が出ても、放射能の心配のない安全、安心な生活を送りたいと思っている人が多いのではないかと思う。だがそういう声をあげる人は少ない。無知、無関心、諦観、根拠のない楽観主義のなか、日本は滅びの道を進んでいるようにしか見えない。